万が一、家の中でスズメバチに刺されてしまった場合、まず何よりも優先すべきは、さらなる刺傷を防ぐための安全確保です。ハチは刺した際に警報フェロモンを放ち、仲間のハチを呼び寄せる習性があるため、同じ部屋にまだハチがいる可能性が高い場合は、速やかに別の部屋へ避難し、ドアを閉めてください。避難後は、直ちに患部の応急処置を開始します。流水で患部を洗い流しながら、指で毒を絞り出すように圧迫します。この際、口で毒を吸い出すことは、口内の傷から毒が吸収される危険があるため、絶対に行わないでください。ポイズンリムーバーがあれば活用し、その後は冷冷水や保冷剤で患部を冷やして毒の拡散を遅らせます。室内で刺された場合、パニックになりやすいですが、冷静に体調の変化を観察することが生死を分けます。特に注意すべきは、アナフィラキシーショックと呼ばれる急激なアレルギー反応です。刺されてから数分から数十分の間に、全身の蕁麻疹、激しい痒み、顔色の悪化、眩暈、さらには喉の違和感や呼吸困難といった症状が現れた場合は、一刻を争う事態です。これらの症状が一つでも見られたら、迷わず救急車を要請してください。また、過去に蜂に刺された経験がある人や、重度のアレルギー体質の人、高齢者や子供が刺された場合も、症状が重篤化するリスクが高いため、早期の医療機関受診が必要です。家の中という、本来最も安全であるべき場所でこのような事態に見舞われることは大きなショックを伴いますが、救急隊が到着するまでは足を高くして横になり、安静を保つことが生命維持に繋がります。エピペンを所持している場合は、躊躇なく使用してください。室内での刺傷事故は、ハチとの距離が近い分、複数の箇所を一度に刺される危険もあります。複数の刺し傷がある場合も、体内に注入された毒の総量が多くなるため、直ちに病院へ向かうべきです。適切な処置と迅速な判断基準をあらかじめ頭に入れておくことが、家庭内での不測の事態において、自分や家族の命を救うための最強の防護策となるのです。
室内でスズメバチに刺された際の応急処置と救急搬送の判断基準