虫に刺されて水ぶくれができた時、「このくらいで病院に行くのは大げさかな」と迷うこともあるでしょう。しかし、中には専門的な治療が必要なケースや、危険な状態のサインである場合もあります。自己判断で悪化させてしまう前に、病院を受診すべき目安を知っておくことが大切です。まず、水ぶくれの大きさと数を確認してください。直径が一センチを超えるような大きな水ぶくれができた場合や、小さな水ぶくれが広範囲に多発している場合は、炎症が強く起きている証拠です。市販薬では対応が難しい可能性があるため、皮膚科を受診するのが賢明です。次に、痛みや腫れの程度です。歩けないほど足が痛む、腕が上がらないほど腫れているなど、日常生活に支障が出るほどの強い症状がある場合は、迷わず病院へ行きましょう。また、患部が熱を帯び、ズキズキとした拍動性の痛みが続く場合も、細菌感染を起こしている可能性が考えられます。特に注意が必要なのが、全身症状の有無です。虫に刺された後、水ぶくれや腫れといった局所的な症状だけでなく、発熱、頭痛、吐き気、めまい、息苦しさなどの全身にわたる症状が現れた場合は、非常に危険なサインです。これは、虫の毒に対する強いアレルギー反応(アナフィラキシー)や、ウイルスや細菌に感染した可能性を示唆しており、救急外来を受診するなど、緊急の対応が必要です。さらに、数日経っても症状が改善しない、あるいは悪化の一途をたどる場合も受診のタイミングです。水ぶくれの周りが赤く腫れ上がり、膿が出るような場合は、二次感染を起こしている可能性が高いです。これらのサインを見逃さず、適切なタイミングで専門医の診察を受けることが、辛い症状を早く治し、跡を残さずきれいに治癒させるための最も確実な方法なのです。