新しく入居したマンションは築年数こそ経過していましたが、内装はリフォームされており、一見すると非常に清潔な空間でした。しかし、入居して一週間が経ったある夜、キッチンの電気をつけた瞬間に視界を横切った小さな影が、私の平穏な生活を一変させました。それがチャバネゴキブリとの戦いの始まりでした。最初は一匹や二匹なら市販のスプレーで対処できると考えていましたが、それは大きな間違いでした。翌日にはシンク下の収納から数匹、その翌日には冷蔵庫の脇からさらに数匹と、次から次へと現れるその姿に、私は背筋が凍る思いをしました。調べてみると、チャバネゴキブリは一度住み着くと家庭用のスプレーだけでは根絶が難しいことを知り、私は徹底的な駆除を決意しました。まず取り組んだのは、家中の隙間を塞ぐことでした。配水管の隙間や壁の亀裂など、彼らの通り道になりそうな場所をパテやテープで埋め尽くしました。次に、彼らの餌場となるキッチンを徹底的に洗浄しました。コンロの油汚れはもちろん、電子レンジの裏側に溜まった埃までも取り除き、水分を一滴も残さないように毎晩拭き上げました。そして満を持して投入したのが、プロも推奨するというホウ酸ダンゴと最新のジェル型ベイト剤でした。これらをキッチンだけでなく、リビングや洗面所、さらには家電製品の隙間に至るまで、数センチ間隔で配置しました。設置して数日は、毒餌に誘い出されたのか、かえって姿を見る回数が増えたように感じて不安になりましたが、一週間を過ぎた頃から劇的な変化が現れました。力尽きて床に転がっている個体を見かけるようになり、それとともに生きた姿を見ることが少なくなっていったのです。しかし、ここで油断してはいけないと自分に言い聞かせました。チャバネゴキブリの卵は薬剤が効かず、忘れた頃に孵化することを知っていたからです。案の定、二週間ほど経った頃、以前よりもさらに小さな幼虫が数匹現れました。私はすぐに追加のベイト剤を設置し、さらに家具の裏などの隠れ家に待ち伏せ型のスプレーを散布しました。この粘り強い追撃が功を奏したのか、一ヶ月が経過する頃には完全に姿を見なくなりました。あの恐怖の夜から、私は掃除の習慣が完全に変わりました。少しでも食べかすを残せば、また彼らが戻ってくるという緊張感を常に持っています。チャバネゴキブリ駆除は単なる掃除ではなく、自分の生活空間を守るための聖戦のようなものでした。もし今、同じように悩んでいる人がいるなら、中途半端な対策ではなく、生態を学んだ上での徹底的な攻撃を勧めるでしょう。それこそが、静かな夜を取り戻すための唯一の手段だからです。
マンションでチャバネゴキブリ駆除に挑んだ私の壮絶な記録