ねずみのふんによる感染症の恐怖から完全に解放されるためには、ふんを掃除するだけでは不十分であり、ねずみを家屋から完全に排除し、二度と入れないための防鼠工事と、彼らが住み着きにくい環境への改善が不可欠です。ねずみは非常に学習能力が高く、一度安全だと判断した場所には執拗に戻ってくるため、徹底的な物理的遮断が唯一の解決策となります。防鼠工事においては、まず家屋の全周を調査し、通気口や配管の隙間、屋根の合わせ目など、あらゆる侵入経路を特定します。これらの穴を、ねずみが絶対にかじることができないステンレス製のメッシュや鋼板、あるいは特殊な防鼠成分を含んだハードパテで完全に塞ぎます。特にエアコンの導入部やキッチンのシンク下などの水回りは見落とされやすく、入念な処置が必要です。次に重要なのが、既存のふんや尿による「匂い」の完全除去です。ねずみは自分の排泄物の匂いを道標として仲間を呼び寄せる習性があるため、ふんを撤去した後に、特殊な消臭剤や殺菌剤を使用して、彼らの痕跡を徹底的に消し去る必要があります。この作業を怠ると、工事をしても別の場所から再び侵入を試みられることになります。環境改善の面では、ねずみの「餌」と「巣の材料」を絶つことが基本です。食品はすべて密閉容器に入れ、ゴミ箱は蓋が確実に閉まるものに変更します。また、段ボールや新聞紙、布切れなどはねずみにとって格好の巣の材料になるため、不用品を溜め込まずに処分する断捨離の実践が、防鼠において絶大な効果を発揮します。床下に溜まった古い埃やゴミも、ふんの微粒子と混ざり合って健康被害を長引かせる原因となるため、床下換気扇の設置や調湿材の散布といった、湿気と汚れを遠ざける環境作りが望ましいです。ねずみのふんという「結果」に怯えるのではなく、ねずみが住み着く「原因」を一つずつ取り除いていく。この地道な努力の積み重ねこそが、家族を感染症のリスクから守り、長きにわたって安全で清潔な住まいを維持するための最も効果的で科学的なアプローチなのです。自分たちの生活環境を主導的に管理することで、ねずみとの共生という不本意な状況を終わらせ、真の安らぎを手に入れることができるのです。
ねずみのふんによる健康被害を防ぐための防鼠工事と環境改善