鳩の駆除や防除を専門に行う立場から言わせてもらうと、多くの人が陥る間違いは、鳩が嫌がるものを一つ置けば解決すると考えてしまうことです。しかし、鳩は非常に知能が高く、個体差もあれば場所に対する執着心のレベルも段階的に異なります。真に効果的な対策を講じるためには、鳩の心理状態を読み解き、彼らが最も嫌がる物理的な遮断を完璧に行う必要があります。鳩がその場所をどの程度気に入っているかによって、必要な強度が変わるのです。単なる休憩場所として使っている段階であれば、忌避スプレーやテグスで十分かもしれませんが、すでに待機場所として定着し、さらには営巣、つまり巣作りまで考えている段階になると、彼らは多少の不快感では一歩も引きません。この段階の鳩が最も嫌がるのは、自分の体が物理的に侵入できない環境、すなわち防鳥ネットの設置です。ネットを選ぶ際は、網目が二五ミリメートル以下のものを選ばなければなりません。鳩は頭さえ入れば無理やり体をねじ込んでくるため、わずかな隙間も許さない緻密さが求められます。また、ネットを張る際に最も重要なのは、壁や床との間に一切の隙間を作らないことです。鳩はネットの端をくぐり抜けて内側に侵入し、そこで安全に過ごすという驚くべき知恵を見せることがあります。ネットが張れない場所であれば、ステンレス製の防鳥スパイクが次善の策となりますが、これも設置間隔を詰めなければ、スパイクの間に足を下ろして器用に止まる個体も現れます。彼らが嫌がる環境作りとは、徹底的に隙間をなくし、着地の余地を奪うことに尽きます。また、意外と見落とされがちなのが、室外機の下やベランダに置かれた荷物の隙間です。これらは鳩にとって最高の隠れ家となるため、物理的に塞ぐか撤去することが、彼らにとっての住みにくさを最大化させることに繋がります。プロの仕事とは、鳩の執着心を超える徹底した遮断を施すことであり、その積み重ねこそが、鳥害に悩まされる日常を終わらせる唯一の道なのです。