見た目は最悪、でも実は家の用心棒?ゲジ(ゲジゲジ)との付き合い方
家の中で遭遇する「細長い虫」の中で、おそらく最も強烈なインパクトと恐怖を私たちに与えるのが、「ゲジ(ゲジゲジ)」でしょう。胴体から放射状に広がる、おびただしい数の細長い脚、奇妙にうごめく長い触角、そして予測不能な電光石火の動き。そのグロテスクな外見は、多くの人にとって生理的な嫌悪感の対象でしかありません。しかし、もしあなたがその見た目だけで彼らを判断し、問答無用で駆除しているとしたら、実は家の平和を守ってくれる、非常に有能な「用心棒」を自らの手で葬り去っているのかもしれないのです。ゲジの主食は、なんとゴキブリやその卵、クモ、ダニ、南京虫といった、私たち人間にとって紛れもない「害虫」たちです。彼らは優れたハンターであり、その長い脚で獲物を捕らえ、強力な顎で捕食します。つまり、家の中にゲジがいるということは、その餌となる他の害虫が潜んでいるサインであり、ゲジはその害虫を駆除するために、日夜パトロールしてくれている、いわば無料の害虫駆除業者とも言えるのです。さらに、ゲジは人間に対して非常に臆病で、自ら攻撃を仕掛けてくることはまずありません。毒も持っていますが極めて弱く、万が一追い詰められて咬まれたとしても、人体に影響が出ることはほとんどないと言われています。もちろん、だからといって彼らとの共同生活を歓迎できる人は少ないでしょう。その不快な見た目や、目の前を高速で横切られた時の精神的ダメージは計り知れません。もし、どうしても駆除したい場合は、殺虫スプレーが有効です。しかし、次にゲジに遭遇した時は、一瞬だけ思いとどまってみてください。そのおぞましい姿の裏には、あなたの家をゴキブリの脅威から守ってくれている、知られざる益虫としての一面が隠されているということを。