昨年、私の身に起きたスズメバチにまつわる出来事は、単なるハチ駆除の枠を超えた大掛かりな住宅トラブルとなりました。始まりは、リビングで静かに過ごしているときに天井から聞こえてくる、微かな「カリカリ」という音でした。最初はネズミでも迷い込んだのかと思っていましたが、次第にその音は大きくなり、ある日、庭で屋根の隙間を頻繁に出入りする数匹のキイロスズメバチの姿を目撃しました。嫌な予感がして業者を呼んだところ、屋根裏に直径五十センチ近くにもなる巨大な巣が作られていることが判明したのです。業者の説明によれば、キイロスズメバチは最初に作った狭い場所の巣が手狭になると、より広い屋根裏などに引っ越して爆発的に巣を大きくする習性があるとのことでした。提示された駆除料金は、基本料金と屋根裏の閉鎖空間での作業費、さらに巨大な巣の撤去とハチの処分を含めて合計八万円。これだけでも大きな痛手でしたが、本当の災難はここからでした。ハチが巣を作るために天井裏の断熱材をかじり取ってボロボロにしており、さらにハチの排泄物や蜜が原因で、天井の石膏ボードに大きなシミができて腐食し始めていたのです。結局、ハチの駆除そのものは一日で終わりましたが、その後、劣化した断熱材の交換と天井の張り替え修理に、さらに二十万円近くの費用がかかることになりました。もしもっと早い段階で、庭を飛ぶ数匹のハチに注意を払い、小さな巣のうちに駆除していれば、これほどの高額な支払いは必要なかったはずです。この経験から痛感したのは、スズメバチの駆除料金そのものよりも、放置したことによって生じる住宅への損害の方が遥かに高額になるという現実です。ハチは私たちの家の弱点を巧みに突いて侵入し、人知れずその勢力を拡大させます。天井の異音や、特定の場所にハチが集まっているのを見かけたら、それは数千円で済むはずの駆除料金が、数十万円の修繕費へと化けていくカウントダウンだと考えた方がいいでしょう。駆除料金は高いと感じるかもしれませんが、それは家という大切な資産の崩壊を防ぐための、最も安上がりなメンテナンス費用なのです。今は定期的に家の外周を見回り、ハチが巣を作りそうな隙間がないか、また不自然な羽音がしないかを確認することを、私自身の最優先事項としています。
屋根裏のスズメバチと戦い高額な工事費を支払うことになった話