キッチンは、ゴキブリにとってまさに三ツ星レストランと高級ホテルを兼ね備えた、理想郷です。豊富な食べかす(餌)、シンク周りの水分(水)、そしてコンロや冷蔵庫が発する熱(暖かさ)。ゴキブリが繁殖するためのすべての条件が、この場所に凝縮されています。そんなキッチンの中で、特にゴキブリが卵(卵鞘)を産み付けやすい、超危険なスポットを具体的に見ていきましょう。まず、最も警戒すべきは「冷蔵庫の裏や下」です。冷蔵庫のモーター部分は、常に熱を帯びており、ゴキブリにとって冬でも快適な保育器となります。また、ホコリが溜まりやすく、掃除の手が届きにくいため、格好の隠れ家となります。定期的に冷蔵庫を動かし、裏側や下のホコリを掃除することが、産卵を防ぐ上で非常に重要です-。次に危険なのが、「シンクの下の収納スペース」です。配水管が通っているため湿度が高く、暗くて、しかも食材や調味料の匂いが充満しています。配管が壁を貫通する部分の隙間は、ゴキブリの侵入経路ともなり、産卵場所としても多用されます。この隙間は、パテなどで塞いでおきましょう。そして、意外な盲点が「コンロや電子レンジ、炊飯器といった調理家電の内部や下」です。これらの家電もまた、使用時に熱を発し、内部は複雑な構造で隠れる場所も豊富です。食べかすがこびりついていることも多く、ゴキブリにとっては最高の環境です。引き出しの中も油断できません。カトラリーケースの裏側や、食器棚の隅、開封済みの乾物や小麦粉の袋の近くなども、餌が近く安全なため、卵が産み付けられることがあります。これらの危険スポットに共通するのは、「暖かくて、暗くて、掃除がしにくい」という点です。日頃から、これらの場所を意識して清掃し、整理整頓を心掛けることが、キッチンをゴキブリの託児所にしないための、最も効果的な対策と言えるでしょう。
キッチンに潜むゴキブリの卵、危険スポット