私は古い木造一軒家に住んでいましたが、数年前から天井裏でカサカサという音が聞こえるようになり、時折キッチンで小さな黒い粒を見かけるようになりました。それがねずみのふんであることは分かっていましたが、仕事の忙しさにかまけて「ただのねずみだろう」と軽く考え、市販の粘着シートを数枚置く程度の対策で済ませていました。しかし、その油断が私を死の淵に追いやることになったのです。ある日、大掃除を兼ねて物置の奥に溜まっていた古い段ボールや不用品を整理していた際、大量に蓄積されたねずみのふんと尿の跡を見つけました。マスクもせずにそれらを素手で動かし、舞い上がった埃を何度も吸い込みました。その数日後、突然の激しい悪寒と四十度近い高熱に襲われました。最初はただの風邪だと思い、市販薬を飲んで寝込んでいましたが、症状は一向に改善せず、次第に激しい筋肉痛と頭痛、そして視界が黄色く染まるような感覚、つまり黄疸が現れ始めたのです。病院へ担ぎ込まれたときには、すでに腎不全を起こしており、即座に入院となりました。診断名はレプトスピラ症でした。医師からは、ねずみの排泄物に含まれる菌が、掃除中の小さな傷口や粘膜から体内に入った可能性が高いと告げられました。一週間の集中治療と透析により、幸いにも命を繋ぎ止めることができましたが、退院後も数ヶ月間は倦怠感が抜けず、以前のような生活に戻るには長い時間を要しました。あの時、ねずみのふんを単なる不衛生なゴミとしてではなく、危険な病原体の塊として正しく認識していれば、このような苦しみを味わうことはなかったはずです。古い家にはねずみが付きものだという慣れが、最も恐ろしい敵でした。退院後、私は専門の業者に依頼して徹底的な防鼠工事と床下の消毒を行いました。今では一粒のふんも見逃さないという強い決意を持って生活しています。ねずみは私たちの生活に忍び寄る静かな殺し屋です。もし天井裏の音やふんを放置している方がいれば、私の経験を教訓に、一刻も早く専門的な処置を行うことを強くお勧めします。
古い住宅のねずみを放置して命に関わる感染症になった体験談